2人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
神は私を見放した
…三神君と別れ、一人で帰る。
「独りぼっちは寂しいな…。」
私は昔よく歩いた道を歩いていく。昔とはちょっぴり変わってるけど、大元は変わらない。ふと懐かしくなって、涙が込み上げてきた。
「やっぱり覚えてなかったな…。」
そんなことだろうと思っていた。…さらくんが交通事故にあって、今までの記憶が曖昧になってしまったのは、私の引っ越しの前日だった。引っ越しのドタバタもあって、彼のお見舞いに行くこともなく、この地から出て行ってしまった。
「そんなこと後悔してももう遅いし。」
それにここに戻ってこれたのだから。
家着いた私は自分の部屋に行きベットに寝っ転がる。
(かわってないね…君は)
いつか…いつか私は本当の「久しぶり」を彼に言える日が来るのだろうか。そんなの分からない。いや、別に来なくてもいい。これから作ればいいのだから。
私は考えるのを辞めて目をつぶった。
最初のコメントを投稿しよう!