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…あ…っ
ふわ…って…した…
薄く目を開けたら、至近距離でりっくんと目が合った。熱く潤んだ目が僕を見ている。少しでも身動げばまた唇が触れる、そんな距離。
キス…した… りっくんと…
すごく優しい、マシュマロみたいな柔らかな感触。
「空…」
僕の名前を呼ぶりっくんの唇の動きと息遣いを、唇で感じる。
堪らず目を閉じた。
りっくんが、ふふって笑った吐息が唇を撫でていって、再び唇が重なった。
さっきは触れるだけだったけど、今度は啄むように吸われて、ちゅって音を立てて唇を離された。そしてまたすぐ唇を塞がれる。
息ができない。でもやめてほしくない。
「…空、だいじょぶ? 息してる?」
りっくんの言葉と熱い息が唇にかかる。
わかんない わかんない
息ってどうするんだっけ?
涙目になってシャツにしがみつく僕の顎を、りっくんの親指がクイッと押し下げた。唇が開いて、やっと息が吸えた。
「…やっばい、かわいー…っ。ちょっ、ごめんムリ…っ」
りっくんの大きくて熱い手のひらが、僕の顔を両側から包んだ。
耳に指が触れてぞわっとする。りっくんが僕の唇をぺろりと舐めた。
驚いて開いた唇に舌を入れられる。
口の中舐められてる…っ
唇の内側や口角を舐められて唇を吸われる。りっくんの柔らかい唇が、舌が、何か甘いものを舐めるみたいに僕の唇に触れ続けてる。
…キス…キス…ってこんな…っ
舐められて溶けていく。唇も、頭の中も溶けてしまう。
歯列をなぞった舌がさらに内側へ。舌で舌を舐められる、ざらりとした感触が身体の奥の熱を煽る。
膝がカクカクと震えてしまって、もう立っていられない。
頬を包んでいた手が背中に回って僕を支えてくれた。その腕に身体を預けて、必死でりっくんに付いていく。
ついて…いけてる…?
りっくんの唇や舌の動きに合わせて、唇や舌をぎこちなく動かす。
触れ合ってるりっくんの唇が笑った。
ちゅっちゅって何度も小さなキスを繰り返して、ようやく唇を離した。
息を切らしてりっくんと見つめ合う。
思いっきり抱きしめて抱きしめられて、幸せすぎて苦しい。
「…空、ごめん、ちょっと抑え効かなかった。お前初めてなのに…」
初めてだから、何がごめんなのかも分からない。それより…
「…りっくん、ぼく、できてた…?」
あれ? なんかちゃんと喋れない。
舌、溶かされちゃったのかな、りっくんに…。
「で…っきてた…っつか、も、やばいやばい…っ、ちょっ待って…っっ」
僕の首筋に顔を埋めたりっくんが「うっわー」って言いながら僕をぎゅうぎゅう抱きしめた。首にかかる息が熱くてぞくぞくする。
「…っくん…?」
「ごめ…、もちょっと待って…。もぉまじでやばい…っ」
りっくんの焦った声にドキドキが止まらない。
「ぼく…へんなこと…、いった…?」
はあぁーっていう深い深いため息をついたりっくんが、やっと顔を上げた。
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