11人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
《 この国の労働者は減ってしまって、
どの企業でも人手不足は続き、
従業員の定年は80歳は当たり前
でしたが、それでも、
労働者不足は解消されません … 》
… pi♪
「 はい!6年生の皆さん、
静かに、してください。
それでは、
お仕事説明会を始めます 」
校長先生は、マイクも使わずに?
目の前の子供たちの人数を確かめ
ながら話します。
そう、この会は、
『 必ず6年生は全員参加で、
行う事とする』
と、
国に決められているのです、
ですから、
校長先生は、6年生全員が揃って
いなければ困るのです。
ここは、町にある、たった一つの、
小学校の体育館です。
中では6年生全員の10名の生徒が、
一列に並べられた席に座り、
緊張したまま、
目の前にズラ 〰ッ と、並んだ、
知らない顔の、
オジサンたちと向かい合って …
それぞれが、ソワソワしてる?
みたいです。
けれども、
オジサンたちの方はなんだか、
精一杯、ハリキッタ感で、
めっちゃうれしそうに、
ニコニコ顔で …
そんなオジサンたちの前で、
まるで気分は反対、な?
難しい顔をしている男の子が、
校長先生に、
「 静かにするように 」って!
云われたばかりなのに、まだ、
オシャベリしちゃってます。
「 あ~あ、とうとう
6年生になっちゃった!
短かったなぁ …
もう少し、子供でいたい
なぁ 〰 」
この日、
『 お仕事説明会 』の席に
座らせられたノリ君は?
まだあきらめがつきません。
だって、たった12才で?
もうすぐ、
子供を卒業 !しなければ、
ならないのですから …
… それほど
この国は、国民、の、大人も、
子供も、少なくなっていました。
そんな事、
突然になったわけではないそうで、
だんだんと、こんな事になって、
しまった? 様なのです。
… パラパラパラ
なら?もっと?
昔から、
子供が多ければ、こんな事には、
なっていなかったのに、今や、
この国の、国民が少ない事も、
数年では改善できない
ほどになっています。
… パラパラパラ
そういえば、
私はこの国の町中で、
子供たちが並んで楽しそうに
じゃれ合いながら
歩いているところや、
児童公園で、
すべり台や、ブランコの前に、
順番を待ちながら並んでいる
子供たちを見た事がありません。
だって、並ぶほどの子供は、
この国にはいませんし …
それに、
町をゆっくり歩いたり、
公園で遊ぶ「 時間 」など、
いまのこの国の子供たちには、
ないのだそうです。
… パラパラパラ
なにせ、
この国の子供は忙しいのです。
だって国民が絶対的に少ないので、
その国民に課せられた、
『 義務 』の割り当てはだんだん、
多くなってしまい、
それを担うために、は、どんどん、
社会人の、低年齢化は進み …
なにも責任のない、
子供でいられるのは、たった、
12才まで、みたいですから。
… パラパラパラ
なので!
皆、問答無用で小学校を卒業したら、
全員、働きだすそうなのです。
… ぼそ
「… へぇ~
たいへんだね …」
… チラ
―
校長先生からは、そんなこの国の、
機密情報の資料をもらっていたので、
咲耶は不憫そうに子供たちの顔を、
こっそり … 見つめていました。
けれど、この会では、
タイムキーパーで、裏方として、
任務に就いている咲耶は子供たちか
らは? 見えません。
―
… スス サササササっ
… キリっ
「さ!仕事仕事!」
そうみたいです …
ですから、この国では、
往く必要がなくなった、
昔はあった、
中学校、高校、専門学校、
短期大学、大学などは、
なくなってしまいました。
そして、
いまある小学校での勉強は、
社会人になった時に?
困らない様に、
と …
この社会で働くために、
身につけなければ
ならないものを、
勉強する事になっていました。
… パラパラパラ
それは …
まずは、体育。
丈夫なカラダをつくり、健康で!
いてもらって!イッパイ!
働ける人に、ならなければいけま
せん。
ですから、
運動は苦手といっているわけには
いかず皆それぞれに合った方法で、
カラダを鍛えます。
次に、機械の勉強。
PCのプログラミングは、
ちょっと前の時代から、皆、
必ず勉強していましたが、
いまでは、さまざまなところで、
人手不足になっているので、
人に代わって機械が作業をする
ので …
めちゃめちゃめっちゃ!
めちゃ、身近になった機械につい
ての知識は、誰でもが必要になり、
それらの、
機械点検や修理等のメンテナンスも、
誰でもが、できないといけません。
なので、何かしらの機械を、
分解しては組立ての、繰り返しの
実習は嫌というほど行われています。
それと、
自分で選ぶことのできる、
「 選択科目 」です。
これは、
小学校に入学してすぐから、6年間、
ずっと通して、
自分で選んだ好きな分野を、
できる限り、くわしく学ぶように、
必ず、
一つは、選ばなければなりません。
小学校で勉強するのは、
この、3つだけ。
… パラパラパラ
??? ??? ???
「 … それだけなの 」
??? ??? ???
ふうぅ~ん … 会話は?
世界共通言語になっていますから、
国語の勉強はいらないし、計算等も、
難しい問題を解くことは機械がして
くれるので勉強の必要はありません。
… パラパラパラ
なんだか、いまのここは …
そんな国になっていました。って!
… ん?
… パラパラ
けれども、
このような小学校生活は悪い事ばかり
ではありません。
自分の得意なものを、
6年間、と、決められた、
… ふぅ~ん
まぁ、短い間ですが … って? …
子供たちは、
好きな、それぞれの専門分野の勉強に
集中して取り組むことができるように
なったので、
… パラパラパラ
それにより、
学校では、自分の好きな!
勉強ができるのです。ですから、
わざわざ?
他人と、自分を、比べたり、
!ねたんだり、! ひがんだり、
との
そんな、メンドクサイ気持ちを、
する?時間もなくなったのです。
それに、
… その6年間で、
短期集中で成長した子供たちは、
人手不足になっている仕事場に、
早く、入って、
働かなくてはいけないとの、
使命を持っているのですから、
みな、同士です …
.
そして、
そんな子供たちに大人は期待をし、
もう、
皆が ピカピカ!ピッカピカ‼ に
輝く、
金の?
プラチナ?の、
ダイヤモンド?の、
と、して、あつかわれます。
そして!今日!ここで行われる、
『 お仕事説明会 』では
その仕事を選ぶために、
この小学校の 6年生 10名が、
この日を待ちに待った、企業の、
宣伝マンに付き合わされる日です。
… って?
… この資料に書いてあるけど?…
皆、かわいらしく、まだ、カラダも
大きくないのに、自分で、働き先を
決めなければならないなんて …
この日はそんな、大ごとの日、
みたいなのです …
… パラパラパラ
ですから ね! …
子供たちには絶対内緒ですが …
私、咲耶と、岩爺、コンガ、
シャオラン、ネムも、今回は、
校長先生からの依頼を受けて、
ここで、緊張しつつ頑張ります!
だからこれ、
なんか見えてても?
「 … シィー!」
でね!絶対!ですよ…
あ~あ、ですが、
こんな時代が来てしまう?と?
この国は大変なことになる?と?
昔の人?が、真剣に考えていたら、
こんな事には?
なっていなかったのですよね …
そんな? 大人たちから、
働く人が足りなくて、
困っているからと?
この非常事態を?当たり前の様に?
なにも知らないまま生まれ、
なにも悪くない!
こんなに少なくなってしまった、
子供たちに、おしつけられて も?
ですよねぇ…
ですから、こんな事を?
すんなり受け入れるなんて?
チョッと反発し?
逃げ出したい気持ちの?
ノリ君みたいです が …
この場に座らされた、
たった、
10名、しかいない!
このメンバーの中で、
そんなこと!
できないですよね …
それならばイヤイヤデモ?少しでも、
楽しそうな仕事を選ばなくては …
などと、
ノリ君も考えてるのかも です …
あ ~
とうとう『 お仕事説明会 』が、
始まります …
では、私も仕事に戻りま~す!
… サササササ
この国では、
働く人が減ったので、
個人商店もなくなりました。
今日の、
説明会のお仕事も、シンプルに、
『 衣・食・住 』に関する仕事と、
人々の生活上必要最低限な?仕事
だけ?です。
… はぃ!
「 えぇ~、では! 企業の皆さん、
今日は、よろしくお願いします。
大人なのですから、くれぐれも、
ズル! の、ない様にして下さい。
皆さんのどこでも、人手不足は、
イッショ!ですからね、あまり、
自分のところだけ、多くの生徒を
『 確保 』しないように、
お願いしますよ … 」
校長先生は、まるで、
他人事のように語っていますが、
校長先生だってずいぶんと大人な
のですから、
この、
働く人不足、の、
社会をつくった人?です。
… ふむふむ
「 生徒の皆さん、お仕事は、
どこもイッショです。楽な、
仕事を選んだつもりでも、
仕事を、 始めると、
いろんな大変なことは、
後から出てくるものなのです。
ですが、
皆さんは、
社会人1年目なので、
まだ、良いのですよ、
何てったって、自分で!
選べるのですからね!」
… ふむふむ
「 皆さんの、先輩で、
仕事を辞めてしまったり、
仕事の変更を希望した者は、
国が、
その人の仕事を、勝手に、
決めてしまいます。
ですから、
皆さんも、
すぐに辞めてしまいそうな
仕事を選ばないでください!」
… ふむふむ
「 大変になるのは、
皆さんですからね!
次は、
自分で仕事を、
選べなくなりますヨ‼ 」
… パラパラパラ
そう … 小学校を卒業したばかりの
『 新卒 』だから、自分で仕事を
選べるようなのです。
けれど、
その仕事を自分で決められるのは、
今回だけ、の、たった、一度きり!
なんと!キビシイ国でしょう …
.
この国は、
深刻な働く人不足を解決、しなけ
ればならないので『13才から労働』
を義務としました。
逃げ道はつくらず?
しっかりと、
労働者確保のため、サッサと、
法律で決めてしまったのです。
… ぐったり
「 あ~あ、どうしよう、
あんまり、家から、
遠く、ないところが、
イイかなぁ … 」
ノリ君は、やはり、少しでも、
楽な仕事につきたいようです。
がっくり肩は落としても?
真剣な面持ちで、
皆に配られた、
それぞれの仕事の内容が
記された『 お仕事リスト 』と、
ニラメッコをしています。
そう、
そんな事はノリ君だけじゃなく、
ここに揃った皆だって、そう、
きっと思っています。
… カタン
「 おや! いま ? あまり、
遠くないところが良いと
おっしゃったのかな ? …
それならば、
当社 ! なんか 良いじゃ、
ないですかぁ~、ほら !
皆さんも、よ~く、
知っているでしょう、
この小学校の、すぐ!
近くですからね … 」
あ!
ちょっと前のめりになった担当者が、
思わせぶりに話を始めました。
!「 え?なに?どこ?」
… むむ!
『 …こら!
静かに聞きなさい ‼ 』
そうですね …
校長先生の云うとおり ... ですね …
「 はぁ ~ い 」
… ちぇ!
でも …
ノリ君のボヤキを、ちゃっかり、
自分のところの?
セールストークに結び付けて、
待ちくたびれていたかのように、
先頭を切って、
仕事の説明を始めたのは、
“ 着ぐるみを着た ” 担当者です。
「 うちは、皆さんの
『 食 』を支える、
スーパーマーケットです。
『衣食住』の、『 食 』です。
とても大事な仕事ですよ!」
「… へぇー …」
ノリ君は、お仕事リストを見直し、
このお仕事を探します。
この担当者は、いかにも!
食べる物には困っていない様な、
ぽっちゃりな!担当者さん。
でも、
このスーパーマーケットって?
どんな仕事でしょう?
「 うちの仕事はですね、
ちょっと昔までは、
お店の開店2時間前までに、
大勢のスタッフたちが、
時間を気にしてバタバタ!
商品をキレイに並べ、
開店の時間には、
完璧に揃えた商品と共に、
いつも爽やかに!
お客さまに向かって、
笑顔でご挨拶をしていました 」
「 お客さまが買い物をされて、
商品がなくなるとすぐにまた、
そこに商品をお出ししてと、
お客さまに合わせて、
スタッフは走り回って働き … 」
「 … ん?はしる? …」
ノリ君は首をかしげています。
それでもマイペースに?
この担当者は説明を続けます。
なにせ、
それぞれの担当者の、喋れる時間
は限られていますので、焦って?
いるのでしょうか …
… ま!私も、自分の仕事としては、
いまは、時間は気になるところです。
… カチカチカチ
… ん?
タイムチェックもしなきゃ …
… ぅん!今までは時間通り!
この話し方?時間配分?
ちゃんと分かってんね …
… OKサインだしとこ …
…ピキっ!
… ほれほれ!…
… チラっ
「 そして、お客さまは、
レジでお会計されるので、
お待たせしないように、
スタッフがそこに立って、
お待ちします 」
「… ? へぇ~ …」
「 その他にも、お客さまに
気持ち良くお買い物をして
いただくためには、いつも
店内をキレイにしてとの、
ハリキッテの!
お掃除も加わります。
そして、閉店しても、
次の日のための準備に、
遅くまで働いていました 」
「… そう だったんだぁ …」
『 ふ~、けれどね … 』
「 少し前から、その仕事の
ほとんどが、変わりました。
倉庫の中では、24時間、
ちょうど良い状態のまま
保たれた商品を機械が管理をし
人ではなく、機械が商品を並べ
お客さまの、お会計は、
現金ではなく
お客さまのマイクロチップでの
ご精算になります」
「… あ!マイクロチップかぁ」
『 ふぅ ~ 』
「 お客さまが、
たくさん買い物をしても、
そのまま、
店の出口へ進むと、
買われたたくさんの商品も、
ちゃんと、機械がカゾエテ、
お客様が、ゲートを
そのまま通り過ぎるだけで、
Chipで、
お会計が済まされるのです。
ですから、レジもありません 」
「…へぇ~」
『 ふぅ~!』
「 お店の中には、スタッフも
いません。その分も、
機械が全部、ちゃんと、
お客さまのお買い物を
サポートするので、
アナタの仕事は、店の、
中を全部見渡せる、 .
モニターの前に座り、
機械が行う仕事の、
チェックをするだけです 」
「… え? あの大きな
お店を独りで?…」
『 フゥ~ フゥ~ フゥ~ !! 』
あ!だんだん息苦しそうに?
なってきたみたいな?
… 大丈夫かなぁ …
この担当者さんは実は、
コンガです!
着ぐるみの中では
きっともう汗まみれで …
椅子に腰かけたままなのに、
イッペンに喋ると、
つかれるのか、ときどき、
深呼吸をして、間を、
あけてから、話を続けます。
… がんばれ!
… チラ
『 フゥ~!』
「… へ?このオジサン、
大丈夫かな …」
『 フゥ~!』
「 まぁ…
この仕事は座り仕事
ですから、ゼンゼン、
疲れません!」
「… お? 座り仕事か …」
… その一言が?
今回のコンガの、
キメ台詞だったので
しょうか?…
… コンガはもうすっかり
疲れてるみたいですが …
あ! シィ~! …
… うん? でも、
まだ、続きが?
コンガは、
ずいぶんと、熱心に …
『 ふぅ~!』
「 仕事場には、あなたの
机、一つ、だけなのです。
あなたは1人で仕事を
担当します。そこで、
動いているモノは、
机の上に置かれた、
モニター画面と、動かす、
モノは機械のスイッチだけ!
なので、いつも!
静かでキレイな!職場です!」
「… ん? 静か?
キレイ?…」
『 ふぅ~! 』
「 そして … もしも、
仕事中に、困ったこと、
が、あっても、それを、
ちゃんと解決できる
『 オペレーションセンター』
につながるシステムにも、
なっていますから、
『1人』だとの事も、何も、
心配することはありません 」
「… へぇー ❣ …」
『 ふぅ~ 』
「 すぐに! 皆さんは、
この仕事が
できるように、
なります。なにせ、
1人!
だから気楽ですよ、
ハハハハハ … 」
… んんん?
コンガったら?よゆう?
… どうだ咲耶 …
こんなに頑張れば
何人かは?…
… さぁ?それはどうかな …
でもま!お疲れ様で~す!…
「 …うん !そうか、
ここなら近いし、
1人なら、マイペースに、
仕事ができるんだ。
良いなぁ …」
… あれ!
ノリ君は何か ピン !と きた様で?
ニヤリと目を細めて …
『 お仕事リスト 』にメモしました。
" … やったね!
まずは! ポイントげっと !! ”
違うか!ま!私もメモメモ …
「 … はい ! ちょっと!
待ってください。
『 衣食住 』
ならば、私のところの
仕事だって、
重要な仕事ですから 」
クスっ …
今度は、
いかにも真面目そうな黒色フレーム
の四角いメガネをかけた、神経質?
そうな担当の人が、少し、体育館の
中が暑くなってきたのか …
そう?
なりっきってるキャラで? …
ハンカチでレンズがくもらない様
にオデコの汗をしきりに拭い?
ながら …
… フフフ♪
この担当者は、実は、
シャオラン …
まじめで!キャラ通りに!
仕事のお手伝いもできるから、
コンガと同様、
着ぐるみの中に入って!
頑張ります!…
「… ん? 重要 ? …」
なので …
ノリ君は、お仕事リストから
この仕事をガサガサ!探してます。
「 はい!私共の仕事は、
『 衣 』に関する公の仕事
『 国民服公社 』です。
分かりますか ? 」
「… コウシャ ? …」
「 はい! この国の皆さまには、
私たちの『 dress 』が
必要とされています。
ですから、
決して、この仕事は、
無くなりませんし、お休み
をしてはいけないのです …」
「… そう なんだぁ …」
何だか、シャオランは、
話し方もキッチリ、していますね。
他の事は何も気にならないように、
機械のように同じ速さ同じ話し方で、
説明を続けています …
『 はい! なにせ、皆さまに、
ご希望の服を、着て、
いただかなくては、
なりません。
これは、
皆さまの、お役に立てる、
やりがいのある、仕事です!』
ぁ …
シャオラン?だんだん
声に力が入ってきた?
… ちょっと咲耶!
こん中めちゃ熱いよぉ~
この役!代わってよ!…
… ぃやぃや まぁ~
まだ説明中じゃん!
ね!ほら!ほら!
しっかりして!…
「…ふぅ~ん…」
… キリ!
「 … はい!
先ほど、
私が申し上げたように、
この仕事には、お休みが
ないのですが、あなたは、
一週間に1日だけの、
担当になりますし、
仕事は、システム化された
機械のチェック、だけ、
なのですから、とても
楽な作業です 」
「… ぁれ?… また、
機械のチェックだけの仕事? …」
「 はい! ですが、いくら、
機械で、なんでもやってくれる
から、と、なっていても、その、
機械が、コワレテしまっては、
困ります。ですから、だれかが、
必ずチェックをしていなければ、
ならないのです 」
「… そう だよね ~ …」
… ウンウン …
「 はい! その事だけは、注意!
していただければ、あとは、
大変なことは何もなく、
とても、初めての、
『 新卒 』さんには、良い仕事、
なのです 」
… パラパラパラ
でわでわ …
おっしゃるとおり!その様で、
機械は故障する事があるので、
チェックが必要になるのですよね。
そのために、ここの皆も小学校で、
機械のメンテも勉強してきました。
あ!これ …
私は …
この日の資料を校長先生から、
いただいていたので、
今はそれを見ながら、ですが …
シャオランは、その資料を、
前日まで、よく見てて?
今日は完ぺき?に!
なんでも!
良く分かっているみたいです!
それに、この仕事?
「新卒さんには良い」との事で …
そう …
知らない方がいるかもしれないので、
先ずは、少し、あ!資料を見ながら
この、私が、
『 dress 』の説明をしておきます …
この国では、
国民が少なくなってきてから、
人々が、この国から離れないように、
そして、
この国の国民で良かったと
思ってもらえる、ように、
さまざまなことを考えているのです。
その中の一つに、
気持ちが豊かになるようにと、
デザインのカッコイイ服を、
国民に無料で提供する、
『 dress 』を作っています。
それも、
一種類だけではなく、昔の洋服屋さん
みたいに、人それぞれの好みで、
ネットや家庭に配布されるカタログか
ら選べたりもするのです。
そんな、
この、無料の『 dress 』は、評判も
良いので、ほとんどの人が『 dress 』
を着ています。
なので、
今日は私たちもそれを着てるんです!
… そんななので、
この仕事は、この国の、
イメージアップにもつながる
仕事なのですね。
それに、
この仕事も、機械のチェックだけの
ようなので覚える事も少ないですし…
…パラパラパラ
ですから、やはり …
この資料を見ても?
新卒、向き、の、ようですね …
… はい!補足は異常で~す!
…ざわざわ
…ざわざわ
「 ワタシも『 dress 』は
着ているけれど、これって、
どう? なんか、良くない? 」
「 だって、ワタシのお母さん
なんて、服のデザインに、
すぐ、アキチャッテ、
もう、
次から、次から服を
替えているのよ!ナンカ、
それって、ワタシと、
競争みたいになっちゃって … 」
「 ステーションに荷物を
取りに行ったら、
ワタシのじゃなくて、
ほとんど、お母さんの
『 dress 』だったり、
ホント、あきれちゃう … 」
はいはい …
ノリ君のとなりに腰かけていた
サーラちゃんは、少し、
このお仕事が気になった様です
が、でもノリ君は? …
… キョトン
「 え ! そんな、に?
それ? に、つきあうのかと
思うと、大変 そうじゃん。
この仕事は、チョット …
ぼくなんかよりも、ヤッパ、
それに興味がある人が、
向いているのかなぁ … 」
なるほど …
でも、ノリ君は、仕事に対して、
チャンと、自分に向いているものが
分かっているようですね。
皆さんも、
興味のあるやりがいがある仕事が、
みつかると良いのですが …
でも、
まだまだ、そんな、
人手不足の仕事はあるのです …
「 あのぅ… スミマセン、
ヨロシイデスカ? 私は、
『 住 』を支える、『 公住 』の
者です。dress と同様、
人の住まいも、国が、
提供するようになりました!」
そう、
よく『 衣食住 』と、生活の基本的な
ものとして使われる言葉がありますが、
この仕事もその中の1つ。
でも …
「… え?... また ⁉ コウシャ? …」
… それほど
この国の人口減少の影響は、
経済にも …
「…こんなに、
国の?
事業の仕事ばかり?
なんて?…」
… ノリ君は驚いたようですが …
今日はそんな感傷に浸る時間もなく
この仕事の説明を
させてもらわなくては …
…ほれほれ!
… 担当者!
ご説明を続けて!…
… チラっ
『 … こ!これは、『 新卒 』の
皆さんにも、カンタンな
仕事です。なにせ、皆さまは、
『 国民ナンバー 』で
管理されていますから!』
「 … 公住は、どこにだれが、
何年くらい、そこに住んで
いるのかが、ちゃんと
分かっています。お住まいも、
貸し出すのが、ラクラクです!」
「 ですから、難しいこと
ではありません。ご家族の人数で、
それぞれに合った、お住いを
貸すだけです!」
「 ですが、ご家族の人数が
変わったり、お住いの中で、
生活に、ご不自由なことが
おこると、お引越しをして、
お住まいを、
かわっていただくので …」
「 なので … 正直に言いますと、
この仕事は、いつも忙しいの
ですが…、お住まいをかえるのも、
機械でチェックできますから、
カンタンです!」
「 この仕事で、一番、
気にしていただくのは、
『 お引越しがスムーズに
いかないとなりません! 』との
ことです。皆さまのお引越しを、
無事にすませることが、
大事なのです!」
「 この仕事は、
… ジッとしていて、
機械に向き合うだけの
仕事ではないので、
ジッとしていられない …
お話し好きの、そう!
そこの君!
みたいに、元気な子には、
とても向いている仕事だと
思いますよ! 」
!「 え? ぼく? 」
… フフフ♪
サインが分かったのかな …
まじめに 話をして …
むだな?冗談なども加える事無く…
ネムは、一気に説明してますね!
意外にもめっちゃ上手!
今日は着ぐるみの中なので
少しも恥ずかしがらずに
頑張りました!
ぁ …
それにノリ君は目立つのか、
さっそくお声がかかりました。
まあ、マイペースなノリ君は?
そんなことも気にせずに、自分で
仕事を決めるのでしょうけれど …
!…
「 ハイハイ、私のところの
説明を始めてもよろしいかな …
私は、『 ちょこっとDAIMU家族 』
劇団の者です。皆さん、
私たちの劇団は、皆さんのような、
フレッシュな若者を、ぜひに!
と、望んでおります!」
「…え? ナニナニ ??…」
??? ??? ???
…ざわざわ
…ざわざわ
… ぉ!
ほらほらやっと出てきた?…
や!うれしそうに動き出した?
だってこの仕事 … 忍びだしさ!
絶対本命な岩爺も頑張ります …
…コホン!
「 きっと、皆さんは、
劇団、なんだから、皆の前で、
お芝居をしたりダンスをしたりする
のかとのイメージをしているのかも
しれませんが … 」
「… ゲキダン …
…?…
…ンンン?…」
…コホっ!
「 実は、この!
『 ちょこっとDAIMU家族 』劇団は
なんと‼ 国から、ヒ・ミ・ツ・の!
重大な任務!を、
任されているのです‼ 」
…ざわざわ
…ざわざわ
“???“ “❔“ “???“
?『 ちょこっとDAIMU家族 』?
の劇団って…
?『 ヒ、ミ、ツ、の重大な任務 』?
…って?…
「… なに?それ? …」
??
…ぅぅぅぅぅ!
岩爺 だけあって?
オオゲサな? 感じ?
笑える…
… ククㇰっ!
??? ??? ???
「 え~、それでは、私から
質問をさせて下さい。皆さんが、
一緒に暮らしている家族は … 」
「 おじいさん、おばあさん、
おばさん、おじさん、
お父さん、お母さん、
お姉さん、お兄さん、
弟さん、妹さん …
同じ家で一緒に、
暮らしている人は ?… 」
…ざわざわ
…ざわざわ
… へぇ~!岩爺は、
コンガやシャオラン、
ネムとは違って、
ジッと、座らされていた生徒に、
話しかけましたね …
… キョトン
「 ぼくは、お母さんと、
お父さんと、バディの
マモ太とくらしています 」
突然の質問なのに、
ノリ君は、すぐに答えてます。
それどころか、お友だちのことまで、
説明をしてしまい? …
「 あのね、ぼくの、
右がわのシン君は、
お父さん、お母さん、
といっしょで … 」
「 あと…、ぼくの
左がわの、サーラちゃんは、
おばあちゃんと、お母さんだし 」
「 アントン君の家は、
お父さんとアントン君の
2人が、いっしょに
住んでいるんだよね …」
「 うん、そう …」
「 うん …」
「 そう、合っている 」
…ざわざわ
…ざわざわ
でもノリ君とはちがって、3人は?
小さい声で答えたり肯いたりして …
なぜ、
この質問がされたのかが分からず、
とまどっています。
「 ほう ! そうかい?
どうもありがとう。君たちに、
なぜ、こんなことを尋ねたか …」
「 それは! その『 家族 』は、
この国にとっても、
大事な、単位の 1つでな、
『家族の人数が減る』コトは
国にとってもオオゴトなんだ。
だから、この国は、
なんと!
その、カモフラージュに、
『家族を、多く見せる』コトを、
考えたんだ国民が多い と、
思わせる様にな … 」
…ざわざわ
…ざわざわ
??? ??? ???
「… カモ フラージュ?…」
?? ?? ??
… パチン!
「 そこでだ!
『 ちょこっとDAIMU家族 』
とは! 劇団員が、
『 変身 』して、周りに、
気づかれないように、
ときに、
でっちあ ✖ ?…✖✖!
そこの『 ファミリー 』になる、
そんな、仕事なんだ !」
????????
…ざわざわ
…ざわざわ
…ざわざわ
…ざわざわ
????????
“ Pi-------------------! ”
… ドタドタ !!
… ドタドタ !!
… ドタドタ !!
おいおい??
!pipipi … ??
?? Pipipi … コラコラ??
Pipipi … 違う違う!!
ダメダメダ!!… Pipipi …
… ここで!そんなこと言っちゃ …
?? Pipipi … ??
ぁ~あ …
岩爺のこれには …
コンガもシャオランもネムも焦り
前の出てきて!
目がパチクリしています …
…ざわざわ
…ざわざわ
??「 へ? でっちあ×?」??
?『 ちょこっとDAIMU家族 』⁉
??
ノリ君たちもポカン? としてます …
??? ??? ???
…なので?
コンガは!…
… ドタドタ!
「 … えぇっ? て? ほら!
これは仕事ですから! 」
で!シャオランも?
… ドキドキドキ
「 … でっちあ✖!
はいはい!違いますよ!
大丈夫ですこれ は … 」
なのでネムも?
… おろおろ
「 …ゥンゥン!?あやしく?
も?ナイでしょ… 」
⚠
そして!校長先生も あせります!
…!ムムムっ
『 ちょっとDAIMU家族 』さん
言葉に気をつけて下さい!」
でも…
…ざわざわ
…ざわざわ
…ざわざわ
…ざわざわ
… ぁ~あ!
ですから 仕方なく私からも …
強く、注意します!
… バタバタバタ!
…プリプリ!
『…×××!
×××!…
…×××!』
?? ??
?? ??
なので …
岩爺も気を取り直し? …
… コホンコホン!
「… あぁ!失礼 でも、これは、
秘密!だぞ!
同じ国民といえども、
一人一人の個人の情報は、
保護されなければならないし。
それに!
『 ちょこっとDAIMU家族 』を
安心して利用できる様に、
国のキマリで、
『 ヒミツを守りなさい 』と、
決められたくらいなんだ … 」
…コホン
?? ?? ??
なんだか …
会の初めのころとは様子がかわり、
ずいぶんと変な? ドタバタ感が?
出てきました?
?? ?? ??
これには、大人しかった皆も、
黙ってはいられません …
…ざわざわ
…ざわざわ
??? ??? ???
「 えぇ~?なにそれ、
ヒミツって …
何で、そうなったの?
人の家に入って?
そこの家族になるなんて、
そんなのヘンだよ 」
「 そうだよ、ゼンゼン
わかんないなぁ 〰 」
ノリ君だけではなく、
シン君、アントン君が、口を尖らせ、
まゆ毛を寄せるようにしかめっ面に
なって …
シン君は、うで組みをしています。
「 ワタシもイヤです。
ヒミツなんて、云われても、
コワイ! カンジもするもの 」
サーラちゃんも声を出します。
… ぁ~ そうですよね …
皆、ザワザワしますよね …
… 岩爺ったらまったくも!…
熱くなりすぎで!ちっとも!
皆を納得させられてないじゃん!
???????
「 あのさぁ…
皆のための?仕事だったら、
この仕事、あっちに往ったり、
こっちに往ったり、て、事なの?」
?????
そう …
アントン君の言うとおり皆の仕事って、
それぞれ? あちらでも、こちらでも、
お芝居をすることだと?思いますよね。
「 … だって、その日に、
急に?メンバーが増えたり?
そこの家族じゃなければ、さ …
それって?…
見てすぐにわかっちゃうし!
でしょ?「 顔 」だってゼンゼン!
その人たちと、チガウし…
それにさぁ、
「 やれ!」って云われても、
その日まで? 知らなかった、
他人の家の事なんて、
なにも、わからないじゃん!
ムリムリムリムリ!」
ノリ君も皆をまとめるように、この
『 ちょこっとDAIMU家族 』劇団の、
なんだかちょっと怪しそうなオジサン
の岩爺に向かってダマサレルものかと
少し乱暴に言い返しました。
皆、 私たちみたいな忍びの …
こんな仕事がこの国にあるなんて、
そんなこと、全く、
理解ができないみたいです。
けれど、これが天職な?岩爺は?
そんな皆の様子に、慌てることなく、
大きく頷き、自信たっぷりに続けて…
…ぅんぅん
「 まあなぁ、君たちには、
まだ、この国が、どれだけ、
困っているかなんて、
分からないよなぁ… まず、
そのことを説明して
おかなくてはならなかったなぁ …」
… キリ!
「 今、君たちは、一人が、
5つもの仕事を担当しなければ
いけない時代になっている。
それは、昔とはずいぶんと違う
時代になったとのことは
分かっているけれど?それが!
この国にとって、どれだけの事、
なのか、ってことなんだ …」
?????
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン? …
?????
…ぅんぅん
「 これからの君たちは、
『 一人前 』ではダメなんだ。
この国には、ゼンゼン
人が足りないのだからな。
そして、それは、
『 助け合える人 』も
少ないってことなんだ …
それを、
どうにかしなくてはならない …」
キッパリ …
「 この国の国民のために、
他の人には気づかれないように
『 ファミリー 』として加わって
困ってる人たちを、
助けてほしいんだ … 」
?????
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン? …
?????
…ぅんぅん
「 … 国民が少ない、
ファミリーが少ない …
この時代は、
助け合える人が少ない。
君たちに与えられた 5つの
仕事の 5 役 だけではなく、
それ以上に『 変身 』して
『 役をこなさなければ!』
この国は、
やっていけないんだ!」
?????
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン? …
?????
岩爺は急に立上り!両手を広げ左に?
右に動いて、1人1人の目に入る様に
腰をかがめながら歩き回り、皆の顔を
覗き込みながら繰り返しくりかえし …
…ギラギラ
「 君たちは、まだ 12才だ。
でも、すぐに、社会人になって
働かなければならない … 」
…どんより
「 それでも、いまだって!
どんどん、どんどん、
この国の国民は …」
⁈?❔‼ ⁈?❔‼ ⁈?
… ぁ~あ … だめだめだめぇ~!
!なんだかだんだん!
… 暗い感じにしちゃってるじゃん …
⁈ ?❔‼ ⁈?❔‼ ⁈
????
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン?
… キョトン? … キョトン? …
?????
あ!まずぃねこれ …
皆 … 固まってる?
ぇぇぇぇ~!!
どうするかなぁ~!
えっと! それ … は とぉ …
… パラパラパラ
ま!こんなになってしまいましたが!
?… 大事なことですので!
これも確認? ですが … ?
さっきから ちょいちょい …
私!咲耶も口をはさんできましたが …
今回!この会では!
生徒さんたちにはナイショで!
私たち本物の忍びの者なので、
そして、この国はお金持ちでも!
人手不足なので!私たちとしては?
そのギャラが魅力的で!
いえ!もとい!
この秘密の!重大なこの会の!
お仕事説明の成功のタメにも!
忍びの者として!
『 ちょこっとDAIMU家族 』に!
なりきった!こんな岩爺をはじめ、
着ぐるみの中で熱さに耐えながら?
コンガ、シャオラン、ネム、も!
そして私、咲耶はこの会で!
タイムキーパーとして!
こっそりと!忍びながら!任務を
務めさせていただいております …
… が !!
… プンプン!
「 ぁ~あ!… も!まったく!
みんな下手すぎぃ!
アツ苦しかったり!
くどかったり!
まじめすぎたり!
これじゃ校長先生からの
ギャラだって!
減らされるんじゃない?
こんな大ぜいで来たのに!
赤字だったらどうするの !! 」
… じとぉ~
「 …したら? ふん!
… 岩爺は この国に …
おいてくから …
どうせなら熱くなったまま!
『 ちょこっとDAIMU家族 』
の団長になって稼いでもらう …」
… ふぅ----!
… プンプン!
最初のコメントを投稿しよう!