空合

2/10
前へ
/10ページ
次へ
「お前、ふざけんなよ‼︎」  広哉くんが私に向かって怒鳴った。 「え⁈」 「お前のせいで時計が壊れたじゃんかよ‼︎」  時計係の広哉くんの左手首には黒いデジタル時計がはめてあった。 「…私?」 「お前だよ‼︎お前の投げた石のせいだよ」 「いや、でも…まぁちゃんかも知れないし」 「(ちげ)ぇよ。お前だよ」 「…」 「どうすんだよコレ‼︎」 「……ごめん」  液晶の消えた腕時計を目の前に突き出され泣きそうになった。 「弁償しろ」 「え…」 「一週間以内に5000円払え」  怒った広哉くんの顔があまりにも怖くて…そして何より、私だけが責められたショックで何も言えなかった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加