五百雀先輩

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思えば、あの頃から俺はボスのことが気になっていたのかもしれない。 クラスメイトにあの先輩のことを聞いても、 「ああ、2年のヤンキーだろ?」 「五百雀先輩って怖そうだよな」 役に立つ情報は入ってこなかった。話してみたらそんなに悪い人じゃないし、怖くもないんだけどなあ……。先輩についてもっと知りたい、先輩ともっと話したい、そう思っていたある日のことだった。 俺はもう彼女と別れたことなどすっかり忘れて元気に毎日学校に来ていた。向こうの廊下が騒がしい。なんだ? 「え、何だあれ、何があったんだ?」 「なになにどうしたん」 「あれって、2年の五百雀先輩じゃね?」 俺は、五百雀という単語を聞いた瞬間に走り出し、先輩を探した。 「なんだ? やんのか? 俺にぶつかってきてただで済むと思ったら大間違いだぞ」 先輩…かっこよ…。ガチのヤンキーじゃん……。 喧嘩に勝って堂々と廊下を歩いていく先輩の背中がかっこいい。声をかけたくて、そっと近づく。
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