誰だお前

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「あっ…」 いた。こっちに歩いてきている。いいチャンスだ! お前も自分が偉いと思っているんだろ? 勘違いも甚だしい。俺が1番偉いんだ…と思っていると、ふわっといい匂いがした。なんだ? 近くを通ったのは、せいと、かいちょう……? おい、俺の前勝手に通り過ぎてんじゃねえよ! 走って追い越し、堂々と歩いてみたがどうにも俺を気にしている気配がない。なぜだ、自分が偉いと思っているんじゃないのか? しかし視線は感じるな…。 「意味わかんねえ!」 俺は仲間に愚痴った。あの生徒会長とやらは、自分が1番偉いと思っているから俺に見向きもしないんじゃないのか!? 「ボス…」 「てか、なんだあいつ! めっちゃいい匂いした!」 俺はいつしか生徒会長が気になるようになっていた。……は、何言ってんだ恋愛感情じゃねえぞ! でも待てよ、恋愛感情じゃない「気になる」ってなんだ? もおおお、わかんねえよ! 変な奴って思っただけだ! そう結論づけてはみたが、自分でも納得がいかない。どうにかしてあいつの視界に入りたくてしょうがないのだ。いや、でも! 恋愛じゃない!! 絶対! 絶対……?
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