それは人の夢のように

誘われた

…8時に、会長の部屋？　今、俺、誘われた？　ってことか？　なんで、俺、いや、待って、え？　あれ会長だよな、え、は？
わからないことが多すぎる。俺、会長に誘われるようなことしたか？　ってかまじでうれし…くない！　別にぜんっぜん嬉しくないし！　会長とか知らない！　全然知らない人！　いや待て、なんで俺は会長から誘われて喜んでるんだ？　もうだめだ、頭パンクしそう。
「ボス、よかったっすね…w」
「なんっ…何がだっ！ 何もいいことなどなかった！」
こいつ俺の手下のくせに最近イキってやがる。何様のつもりだ。なんかめっちゃムカついてきた。
「おいお前最近調子のってんな？　なんだ？　理由によっては死に至るぞ」
「…いえそんなことないですすいません調子のってないです」
「嘘だな、お前、会長と俺のことについて何か思うところがあるだろう！」
「………いえ…そんな………」
「おい」

7時半。俺はもう既にそわそわし始めていた。俺のルームメイトはいつも部屋に帰ってくるのが遅い。夜の1時くらいにいつも帰ってきてる…でもたぶんそれまでには戻れる、だろう。
どんな服で行こう…。いやでもここはあえて制服の方がいいか？それともギャップ狙ってかっこよくキメるか？俺が何故か持ってるメイド服とか…もありかもだけど、でもそのまま月寮まで行きたくねえ。…ってかなんで俺がただ会長の部屋に呼ばれただけで服とか考えなきゃいけないんだ。俺もうまじなにやってんだよ？