会長の部屋…

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会長の部屋…

「…8時だ」 俺は既に月寮の入口に来ていた。制服をちゃんと着て、会長が来るのを待っていた。 8時10分。 「8時って言ったのに。遅くね…?」 ってか、俺のいる星寮と全然違うんだけど。やっぱり生徒会の奴らってガチセレブなんかな。まず入口にレッドカーペットひいてあるのがおかしい。上にシャンデリアあるし、なんか全てが綺麗。待遇があまりにも違くないか? え、だってさ、俺らのとこまず汚いし、ネズミもいっぱいいるし、ボロいし、電気切れてないところなんて数え切れる程しか…。え、ほらおかしいって。 「五百雀! すまん」 待ち望んだ声がして、俺は無意識に笑顔になるのがわかった。しかしそのまま会う訳にはいかない。すぐに無表情、もしくは不機嫌な顔まで戻そうと努力をしているうちに向こうから会長が走ってくる。なんだよ、8時って言ったのに。遅えよ。 「申し訳ない。部屋を掃除していたら遅くなってしまった」 …俺のためだけにそんな掃除なんかしちゃって…ばかだな。なにやってんだよ…。頑張って作った不機嫌な顔が綻んでくるのを感じた。 急に視界が高くなった。会長は…? 「うわ! おい、何やってんだ下ろせ!」 俺としたことが、隙をつかれるなんて! なんで俺が姫抱きされなきゃいけねえんだ! 「………変なことしてないではやく部屋連れてけよ…」 「ここが、俺の部屋、だ」 はあああ!? めっちゃ綺麗なんですけど! なにこれ! なんで部屋にまでシャンデリアついてんの!? 俺は驚きのあまり声を失った。 「おい、雲母、手離してくれないと動けない」 笑いを含んだ声がする。俺は無意識に会長の服の裾を掴んでいたらしい。ぱっと離したが、顔が赤らむのを感じた。
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