14人が本棚に入れています
本棚に追加
「みのり、毛布足そうか? 今夜は冷えるみたいだし」
お風呂上がりのあたしの部屋に、ママが毛布を一枚手にしてやってきた。
「うん」
「早く布団に入りなさいよ。湯冷めしちゃうわよ」
「うん、分かった。おやすみ」
「おやすみ」
カーテンを少しだけ開けて、外を眺めてみる。暗がりにチラチラと雪が舞っているのが見えた。外はきっと氷点下だ。考えただけで身震いしてしまう。ママがきちんと整えてくれたベッドに潜り込む。
目を閉じる瞬間、交差点で見た柴犬のことを思い出した。
あの子、大丈夫かなぁ。
心配になりながらも、お風呂であたたまった体と布団のぬくもりに、あたしはすぐに眠りについていた。
最初のコメントを投稿しよう!