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 朝目が覚めると、外はうっすらと雪景色になっていた。  いつも通りに朝ごはんを済ませて支度をしていると「おはようございまーす! みのりー!」と、玄関からイチの声が響いてきた。 「あれ? 今日早くない?」  いつもの時間よりもずいぶん余裕があるけれど。あたしはリビングの壁掛け時計をチラリと見ながら玄関へ急いだ。 「ちょっとさ、あいつのこと、気になって」  眉を顰めて、イチは俯く。 「あいつって、もしかして、柴犬のこと?」  あたしが聞くと、コクリと頷く。 「あたしも、気になってた」 「だろ? 外雪降ってんだぞ、あいつあのままあそこにいて、寒くて死んじゃわないか、昨日色々考えて眠れなかった」  よく見れば、イチの目の下に影が出来ている。 「早く行ってみようぜ!」 「う、うん」  あたしは急いで足元に持ってきていたランドセルを背負った。  駆け足で交差点を目指す。ヒヤッとした空気に吐き出す息が真っ白だ。
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