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「あら、いらっしゃい。遅かったわね」
白色の髪飾りを肩まで伸びた黒髪につけているのは、私の姉の鈴雲 梅。
「おかえりっ!葵!」
黄色の髪飾りを肩下までのふわふわした髪につけている従姉妹の白雪 菜乃羽。
「珍しいわね、遅れるなんて。どうかしたの?」
桃色の髪飾りを腰まで伸びた柔らかな髪につけている、菜乃羽の姉、白雪 寧莉音。
みんな私の親戚。そして仲間っ!
私もだけどここにいる四人は全員「色別者」。
私達のお母さん、おばあちゃんたちもそうだった。
色別者の力は二十歳まで。
だから、早く結婚して子供を産まないといけないの。
「早く!早く席について!はい、姉さん資料」
「はいはい。そんなに急かさないの、梅。よし、じゃあ座って」
その言葉に私と菜乃羽が席につく。
ねり姉と梅姉は大きめの机の両端に立っていた。
「はい。じゃあ会議を始めます」
*****
「終わったぁ……。あ、葵、出来た?」
「んー……。できたっ!」
「あ、出来た?ありがとね、助かるわ」
「ねぇ、葵」
ドンッと梅姉がやってくる。
な、なに……?
「なんで、遅れたの?」
「へ?」
「そうよ。葵が遅れるなんて、おかしいもの」
「うんうん」
………みんなの中の私のイメージって一体……。
でもとりあえず話そう。
私もよくわからないし。
私は出会った「色がない人」について話しだした。
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