盲目と覚醒

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「残念会だぁ」  脱落してしまった推しの健闘をたたえて、画面越し、ジンジャーエールで乾杯した。 「彼がさ」 「うん」 「推しの子、落ちるって言ってた」 「悪い予言しやがって」 「ほんと。負け犬とか、いろいろ言われて」 「うわぁ」 「もともと熱があったのか分からないんだけど。いよいよ醒めたな、って思ったの」  通話が終わると、私は指を動かした。    推しのオーディションが終幕すると同時、私は彼氏を、その座から脱落させた。  了
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