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ポリアモリーの夫婦になって、一番嬉しいのはイケメンたちがわたしの為に口論してくれることだ。一番めの夫、浩史が会社の書類を家に忘れたのをラインで知らせた事で、この日も夫たちは喧嘩した。
「洋子だって、家の事で忙しいんだぞ。仕事の書類を持っていかせるなんて何を考えてる。少しは洋子の事を考えてやれよ浩史っ!」
恭平はわたしのことを考えて、浩史を諭してくれた。
「だけど夫婦は二人三脚だろう。困った時には助け合わないと」
浩史は反論する。
「とはいえ、嫁に色々と押し付け過ぎだぞ。可愛くしろ、きれいでいろ、優しくしろ、夫をたてろとか子供作れとか、家事をしろとか。一日でいいから洋子を手伝ってやったらどうだ?」
拓哉も凄く女性の事を判っている。
「そうはいっても、夫も仕事で疲れて帰って来るんだ。洋子も少しでいいから俺の事を労って欲しい」
「優、仕事で疲れてるのはみんな一緒だろう」
「そうだけどよ……」
「ちょっと待てお前たち、洋子がどう考えてるか訊いてみよう。何より洋子の意志を尊重してあげよう」
ここで浩史が、わたしに意見を求めて来た。わたしは夫みんなのことは勿論好きだし、本当に心から愛してる。忘れもの程度の事でうざいと感じたことは欠片もない。しかし、欲をいえば、少しは休憩したいとは思っている。夫は四人いても、わたしは一人しかいないのだ。
「わたしは、みんなの助けになるならそれでいいけど、ちょっとは休憩したいかなあ」
「無理しなくてもいいんだぞ?」
「そうだよ、何時もうまいご飯作ってくれてさ、家のこともしてくれてさ、仕事の愚痴も聞いてくれてさ。疲れてるのに、もっと俺たちの事頼っていいんだよ」
「確かにな、男は四人もいるんだ。むしろ人手が余ってるくらいだ。遠慮するなって」
「じゃあ、ちょっとだけ、甘えちゃおうかな」
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