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「そうと決まれば会議だっ!」
浩史たちは、わたしの為に会議を開いてくれた。結果「四人で家事を分担して行うこと」「一週間に一回はわたしは家事を休んでいい事」「それぞれが自分のことは自分でやること」の他にも「年に四回ある結婚記念日や誕生日はちゃんと全員でお祝いすること」などのルールが決まり「それが出来ない場合は離婚、DVがあれば家庭から追放する」というものも追加された。しかしながら、子供が産まれた場合どうするかという問題で再び口論になる。
「子供が産まれたら、恐らく知りたがるだろう。自分の父親はこの中の誰かという事を」
「血液型を知ればすぐに結果は出ると思う。でも生物学上の父親以外は何なんだと思うかも知れないな」
「ポリアモリーという価値観を幼い子供が受け入れるのはハードル高いな」
「もし、離婚した場合の親権は、誰が取れるんだ?」
確かに、ポリアモリー夫婦の離婚調停のケースなんて日本ではまだ判例がない。しかし、親権を取れるのは子供を一番世話してきた親のほうになるけど、子供から見たらわたしたちはどう映るんだろう。名字が違う両親と、四人いる父親はやはり他の家庭と異様に見えるのかも知れない。
「そういえば、洋子。子供は、欲しいかい?」
浩史のことばにわたしはドキリとした。
「欲をいえば、欲しいかも。でも、今のままでも幸せだよ」
「そうか、俺に考えがある。洋子の体は一つしかない。俺たち四人とかわるがわるやるっていうのは洋子の体を無碍に傷付けるようなものだ。だから洋子と寝るのは四人のうち一人だけにしよう」
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