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第一章 僕はオメガなんだもの
御影 駿(みかげ しゅん)は、スクールカーストの底辺にいる。
もう高校三年生になったというのに、その第二性がオメガであるためか、体は小さく痩せていた。
髪は赤茶けてパサパサしており、肌は色つやがなく青白い。
顔立ちは可愛らしいのだが、肉が少ないので大きな瞳がやけにぎょろついて見えるのが残念だ。
唇の形も良いのだが、いつも乾いて割れていた。
成績は、パッとしない。
芸術に秀でることもなく、スポーツも全くダメだった。
そんな駿なので、よくいじめの標的になった。
学園内のベータたちが、これ見よがしに小突き、暴言を叩きつけ、使い走りに利用する。
しかし、それを目にしても、アルファは完全に駿を馬鹿にして、無視していた。
他のオメガは、駿がそうやって不幸を一身に背負っているため、自分へといじめの目が向かないことに安堵していた。
「おい、御影。俺たちと遊ぼうぜ」
そう言って、昼休みに駿を誘ったのは、同じクラスのベータ少年たちが数名だ。
「いいよ」
駿はただ、無表情で答える。
何をやって遊ぶか、なんて解ってる。
埃っぽい体育倉庫。
薄暗い、闇の中。
その中で、駿は全裸で転がされ、男子生徒にフェラチオを強要された。
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