二章

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「行く場所がないのならずっとここにいていいんです。僕は……コレットがそばにいてくれるためだったらなんだってする」 絶対に逃さない、そんな力強さを感じさせる。 しかしコレットは今までの家族から受けた扱いのせいで、すっかりと自信をなくしていた。 (わたくしはヴァンにこんな風に優しくしてもらう資格はないわ……何もせずにいていいなんて、甘えていたらダメだわ) ヴァンはコレットの中にある大きな不安を理解していたのかもしれない。 「……コレットにはまだまだ時間が必要ですね。あなたが満たされるまで、僕はコレットを甘やかそうと思います」 「わたくしを、甘やかす?」 「僕は今度こそコレットを守り、幸せにすることを誓います。どうか僕のそばにいてください」 左手の薬指にヴァンの唇が触れた。 まるでプロポーズしているようだと思った。 肩を跳ねさせるコレットを気にすることなく、コレットをまっすぐ見つめている。 「コレット、これからは僕のことだけを考えてくれればいい」 「……!」 ヴァンの力強い言葉にコレットは気づいた時には小さく頷いていた。 満足そうに笑ったヴァンを見てハッとする。
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