二章

44/48
前へ
/234ページ
次へ
「ヴァン……わたくし、このままだと勘違いしてしまうわ」 「どういうことですか?」 「そ、それは……ヴァンがわたくしのことを……好きなんじゃないかって、思ってしまうから」 尻すぼみに小さくなっていくコレットの声に、ヴァンもいつのまにか部屋に戻ってきたメイメイも、一緒にいるウロも目を丸くしてこちらを見ている。 ヴァンの言葉を待っていると溜め息が聞こえた。 そして「ここまでわかってもらえていないのは正直、驚きです」と言っている。 (わたくしったら、やっぱり勘違いをしていたのかしら) コレットが恥ずかしさから頬を押さえていると、ヴァンの存在をすごく近くに聞こえた。 ヴァンはコレットの手首を掴んで引き寄せた。 「あなたが好きです。コレット」 「……!?」  「成長して、すべてを手に入れた今なら伝えられます。あなたを愛しています」 「ヴァンが、わたくしを……?本当に?」 「はい、そうです。あの時から僕の気持ちが変わったことはありません。ずっと……ずっとコレットを思い続けていました」 ヴァンは呆然としているコレットの額に口付けた。 「これで僕の気持ちが伝わりましたか?」 コレットが顔を真っ赤にしてワナワナ震えていると、ヴァンは困惑しながらも呟いた。
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1151人が本棚に入れています
本棚に追加