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「まさかここまで言葉を噛み砕かないと、コレットに何も伝わらなかったなんて驚きです」
「どうして……?」
「僕はコレットを愛しているから、こうしているんですよ?」
「で、でもわたくしはこんなことしてもらう価値は……!」
ヴァンはコレットの唇を塞ぐように唇に人差し指を当てる。
「それは僕が決めることです。それに〝わたくしなんか〟なんて言わないでください。悲しくなります」
「……!」
「わかりましたか?」
コレットがゆっくりと頷いたのを確認したヴァンは唇から指を離す。
それからヴァンは確認するように問いかける。
「コレット、ゆっくりでいいので僕がいない間のことを教えてください。コレットがアイツらをどう思っているのか気持ちを聞いておきたいんです」
「……!」
「無理ならば、また今度で構いません」
ヴァンのこの言葉を聞く限り、コレットのことを気遣い心配してくれていたのだとわかる。
コレットは瞼を閉じてから深呼吸をして頷いた。
ヴァンとは以前と同じように、何でも話したいと思う。
コレットはヴァンに話を聞いてもらうことで救われたのだ。
(ヴァンはわたくしのことを知っていると言っていたけど、どこまで知っているのかしら)
コレットはヴァンにまず何から伝えようか迷っていた。
話したいことはたくさんあるけれど、まずは自分があの場所で倒れていた経緯を話すことにした。
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