三章

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「意味わかんない!それにコレットお姉様が頭がいいわけないでしょう!?」 「どの令嬢と繋がっているのか知らないが、常に疑惑の目を向けていた。おかげで外でも派手に遊べないし、やっと自由になったぜ」 「な、何の話……?」 「ハハッ、外にも出ない病弱な令嬢……本当は体調なんて悪くないんだろう!?嘘ばかりついてサボってばかりいるからあんなことになるんだ」 ディオンの言葉にリリアーヌは唇を噛んだ。 コレットを追い出す前に、リリアーヌはディオンとたくさん話をしていた。 その時のディオンはリリアーヌの理想の王子様だったのに。 (どうしてわたしの病気がもう治っていることを知っているの!?まだ誰にも言っていないのにっ) リリアーヌはもう元気になって何年経つだろか。 それでも病弱のフリをしていたのは、その方が都合がいいからだ。 ディオンがリリアーヌの味方をしてくれないなんて信じたくなかった。 「……ッ、わたしのことを大切にしないとお父様とお母様に怒られて追い出されるんだからっ!」 リリアーヌがそう言うと、ディオンは目を丸くしている。 (これでコレットお姉様のように言うことを聞くようになるわ!) そう言ってリリアーヌが自信満々に口角を上げるとディオンは腹を抱えるようにして体を小さく震わせている。
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