三章

8/66
前へ
/234ページ
次へ
「──ブッ!アハハッ」 「なっ!」 「信じらんねぇ、やばいな……こんなのに騙される伯爵たちも、追い出されたコレットも可哀想だな」 「何ですって!?」 「こんなに幼稚で馬鹿だと笑えるな」 リリアーヌが怒りで顔を真っ赤にして震えいると、ディオンがこちらを睨みつける。 「バラされて困るのはどっちだよ?」 「そっちでしょう!?婚約を解消したら……っ」 「解消したらお前は姉の婚約者を奪い取った挙句、婚約関係を続けられもしない訳あり令嬢としてミリアクト伯爵家の評判はガタ落ちだ」 「……え?」 「お前と伯爵たちは社交界でなんて言われているのか知らないのか?」 リリアーヌが何を言ってもディオンは余裕の表情だ。 「見る目がない伯爵たちと非常識な我儘令嬢、伯爵家のお荷物……それから」 「なによ!それってコレットお姉様のことでしょう?」 「何言ってんだよ。全部お前のことだぜ?」 「は……?」 「もしお前の我儘で婚約の解消をすれば病弱と嘘をついて姉を追い出した最悪な令嬢と呼ばれるんだ」 「最悪な令嬢?わたしが!?ありえないわよっ」
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1152人が本棚に入れています
本棚に追加