三章

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「俺はバラされたところで痛くも痒くもない。父上に言えばどうとでもなるからな!それに俺は公爵家、お前は伯爵家……このくらい馬鹿なお前にも理解できるよなぁ?」 リリアーヌは逆にディオンに脅されているのだと今になって気づく。 常に自分が優位にいると思っていた。 けれどリリアーヌはディオンに騙されていたのかもしれない。 (わたしが悪いの!?絶対に違うわ。今に見てなさいよ!) リリアーヌが爪を噛んでいるともうすぐパーティー会場につくようでディオンが「そろそろか」と言った。 「お前さぁ、もうこういうパーティーにあまり出ない方がいいぜ?お得意の仮病を使ってな」 ディオンの言葉にリリアーヌは目を見開いた。 「あとお前をエスコートする気はねぇから、俺に近づくなよ?」 「な、なんでそんな意地悪言うのよっ!」 「あんな大失態を犯して、よくそんなことが言えるな?俺もこんなやつが婚約者だなんて思われたくないんだよ」 「……ッ!?」 「お前はコレットの足元にも及ばないどころか、隣にいたくない。まぁ……今回のパーティーでそれも懲りるだろうけどな」 「意味わかんないっ!コレットお姉様なんて地味で何もできないじゃない」 「そう思っているのはお前と伯爵たちだけだろう?泣いて逃げ帰るならこの馬車使っていいからな」
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