三章

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ヴァンは余程嬉しいのだろう。 馬車から顔を出して、後ろの馬車に乗っているメイメイやウロに手を振りながら叫んでいる。 「メイメイ、ウロッ!すぐに皇帝陛下に早馬を出してくれっ!挨拶に回らなければならないし、すぐに結婚できないのは残念だが、まさか僕とコレットの気持ちが通ずる日がくるなんて……まるで夢を見ているようだ」 「ヴァン、大げさよ!それにそんな大声で恥ずかしいわ」 「僕はとても嬉しいんです!早く亡き父にも……ゼゼルド侯爵にも報告したい」 コレットが「ヴァン、危ないわ」と言って服の裾を引いてもお構いなしである。 まるで子供のようにはしゃいでいるヴァンを見ながらコレットは微笑んでいた。 コレット以外はヴァンの初めて見る姿に口をあんぐりと開けて愕然としているとも知らずに、ヴァンの心からの笑顔を見られたことを喜んでいた。 それにヴァンがコレットに自分の話してくれたことが嬉しいと思う。 幼い頃のヴァンを知っているから尚更、そう思うのかもしれない。 そんな時、馬車がゆっくりと止まる。 「ああ、王都に着きましたか」 「王都に?」 「行きましょう、コレット……手を」
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