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コレットはその言葉を聞いて目を見張った。
ミリアクト伯爵家を出て、確かに何の連絡もないとなれば死んだと思ってもおかしくはない。
そうなりたくなければ教会か娼館に身を寄せるしか、家を追い出された令嬢が生き残る道はないだろう。
リリアーヌはヴァンと共にいる姿を見てコレットが娼婦になったと思ったようだ。
「元伯爵令嬢が惨めよねぇ……!ああ、そうだわ。もうお姉様なんて呼ばなくていいのよ」
「……っ」
「今はただの〝コレット〟だもの!あはは、可哀想にっ」
リリアーヌはディオンの前ということも忘れているのか、本性を出している。
しかしディオンも驚いた様子はない。
一カ月の間に二人の関係に何か変化があったのだろうか。
コレットは心ない言葉を胸元で手を握りながら聞いていた。
「娼婦になって上客を掴んだようだけど、所詮は娼婦……ふふっ、惨めよねぇ」
「……まさかこうなるとはな。落ちぶれたな、コレット」
リリアーヌは満足そうに笑い、ディオンも馬鹿にしたようにコレットを見ている。
どうやらコレットが娼婦になったと決めつけているようだ。
「ああ、そうだわ!あなたにいいことを教えてあげるわ!」
リリアーヌはそう言うと、コレットの隣にいるヴァンの前に立つ。
そして見たこともないような意地悪な顔で手を合わせている。
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