三章

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「こ、こんな……っ、こんなこと許されないんだからっ!野蛮な奴らだわ!信じられないっ」 「今のは……シェイメイ帝国の言葉か?」 「そんなのどうでもいいわっ!こいつらを今すぐに処分して」 リリアーヌの突然の暴言に周囲がザワザワと騒ぎ出す。 立ち上がることができないのか地面に座り込んだまま、叫ぶリリアーヌと唖然としたままこちらを見つめるディオン。 ウロとメイメイはリリアーヌに再び殺意のこもった視線を送って戦闘態勢を取る。 コレットもメイメイとウロのことを野蛮と言ったことが許せずに口を開こうとした時だった。 『コレット、僕に任せてください』 シェイメイ帝国の言葉で会話した後にヴァンはコレットを守るように背後に隠す。 『大丈夫ですよ。二度とコレットを傷つけさせませんから』 「……ヴァン」 『僕がヤるよ』 ヴァンの意思を汲み取るようにウロとメイメイもコレットを挟むように立っている。 ヴァンは一歩また一歩と足を進めてリリアーヌの前で人当たりのいい笑みを浮かべながら腰を屈めた。 リリアーヌはヴァンを見て思うことがあったのか頬がほんのりと赤く染まり髪を整えるために忙しなく手を動かしている。 ヴァンがどうするつもりか見守っていると、片手でリリアーヌの乱れた髪を耳にかけた。
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