三章

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従者の数や身振りの仕方、着ているものからして高貴な立場にいることは間違いないのだが、ヴァンが不利になってしまったらと思うと居ても立っても居られない。 (エヴァリルート王国でヴァンが問題を起こして、シェイメイ皇帝からヴァンが責められたりしたら……) リリアーヌとディオンがこの後どう動くのか……コレットには手に取るようにわかる。 心配になったコレットだったが考えている間に、ヴァンはウロとメイメイに小さく耳打ちをしている。 その内容が何なのかはコレットにはわからなかったが、ウロは先に屋敷に戻ると行って去って行ってしまう。 「ウロは何故、先に屋敷に帰ったの?」 「頼みたいことがあるんですよ。それよりもまだドレスに合わせる髪飾りやアクセサリーも買っていませんね。早く回らないと日が暮れてしまいます」 「ヴァン、わたくしは……」 「さぁ、馬車を出してください。今日を楽しい日にしましょう」 コレットが心配していることがわかったのか、ヴァンはいつものように微笑んだ。 ヴァンは少しだけコレットに過去を話してくれたが、聞きたいことがまだまだたくさんある。 (まだ言うタイミングではないのね……)
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