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(どなたかしら……)
ヴァンの父親代わりのゼゼルド元侯爵は亡くなっている。
結婚の書類が手元にあるということは、ヴァンの結婚相手であるコレットの顔を見に来て、どんな人物かを確かめてきたのではないかと予想していた。
「…………え?」
しかし実際に目の前にいる二人の少女の姿を見て、コレットは驚いて動けなくなるほどの衝撃を受けた。
「コレット様……っ!?」
「ああ、よかった!無事だったのね!?」
「……嘘っ、まさか」
コレットの目に涙が浮かぶ。
二人の少女はコレットの心の支えとなり、ミリアクト伯爵邸にこもっていて会えない間も、ずっとコレットを気にかけてくれた大切な友人たちだった。
「アレクシア様、エルザ様……っ!」
コレットは名前を呼んでから二人を思いきり抱きしめた。
久しぶりに会えた嬉しさや安心感から涙が溢れてくる。
「コレット、会えてよかったわ!ミリアクト伯爵家を除籍されたと聞いて、わたくし居ても立っても居られなくて、エルザとあなたのことを探したの!」
「でも見つからなくて……!もしかして何かあったんじゃないかって……もう会えないかもしれないと心配していたのっ」
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