三章

56/66

1150人が本棚に入れています
本棚に追加
/234ページ
「我慢できなくてエルザとミリアクト伯爵と夫人にコレットのことを尋ねて行ったの。そしたら〝失礼ですが、どんな関係ですか?〟と言われて驚きすぎて言葉が出なかったわ」 「アレクシア様と話して、もしかしたらコレット様が私たちに迷惑をかけないようにしたんじゃないかって思ったの……」 「あんなに手紙のやりとりをしていたのに、わたくしたちにそんなこと言うなんて変だもの」 アレクシアとエルザは大号泣しながらも必死に言葉を伝えてくれていた。 それだけでもコレットのことを心から心配してくれていたのだとわかる。 コレットはメイメイから布を受け取り涙を拭った。 「心配を掛けてごめんなさい。わたくしはお二人に迷惑をかけないように、今までやりとりしていた手紙をすべて燃やしたの」 「まぁ……!」 コレットはミリアクト伯爵邸から出て行く前に二人に迷惑をかけたくないと、もらった手紙を燃やして処分してしまった。 「私たちをもっと頼ってくだされば……っ!」 「心配っ、したのよ!?わたくしたちはいつでもあなたの力になったのに」 「……ごめんなさい。今までたくさん支えてもらったのに申し訳ないわ。これ以上迷惑は掛けられないと思ったの」
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1150人が本棚に入れています
本棚に追加