三章

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そう言って二人もコレットを優しく抱きしめてくれた。 こんなにもコレットのことを気にかけてくれて、とても嬉しく思っていた。 あの時は二人に頼ることなど考えられなかった。 迷惑をかけたくない気持ちが先に出てしまっていたからだ。 それだけコレットは追い詰められていたのだろうが、もしも二人に頼っていたとしてもミリアクト伯爵家が黙っているとは思えない。 そうなればコレットの存在が負担になってしまってしまう……そう話すと二人は涙ながらに「あなたは優しすぎるのよ!」「気にすることないわ。何もできなくてごめんなさい」と言ってくれた。 「それよりもリリアーヌがディオン様と婚約したと聞いたけど……」 「リリアーヌは表舞台にも出てこないし、ディオンは好き放題遊んでいるし、一体ミリアクト伯爵家はどうなっているの?」 「……!」 コレットはミリアクト伯爵家から出た理由やリリアーヌがディオンの婚約者となり、ミリアクト伯爵家を継ぐのだと伝えた。 ミリアクト伯爵はコレットを除籍した理由について、リリアーヌを長年にわたり虐げて我々にも迷惑をかけていたと語ったらしい。 だがミリアクト伯爵のいうことを鵜呑みにしている人はおらず、リリアーヌを可愛がるあまりコレットを追い出したことに気づいているそうだ。
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