三章

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その後、アレクシアとエルザと共にリリアーヌや伯爵たちのことを気にすることなく思いきり声を出して笑い合った。 いつもはリリアーヌや両親にバレないように、ひっそりと隠れながら話しをしたり手紙を受け渡してやりとりをしていたが、今はその必要はない。 話は途切れることなく、今までの分も三人で盛り上がっていた。 自由に話せることがこんなに楽しいのだと久しぶりに思い出すことができた。 「昔のコレットに戻ったみたい」とアレクシアに言われて、エルザも嬉しそうに「本当ね」と頷く。 そしてアレクシアは相変わらず、エヴァリルート王国の王太子であるウィリアムに言い寄られているらしいが拒否しているそうだ。 「あんな奴と絶対に結婚したくないわ!早く諦めてくれないかしら」 「ウィリアム殿下は相変わらずなのですか?」 「そう、ディオン様と城下町に行って、一緒によくないことをしていると聞いたわ。王妃殿下もウィリアム殿下を甘やかしてばかりで……ありえない」 「アレクシア様が可哀想だわ」 「わたくしが他の令息と仲良くなると圧力を掛けるの。でも最後まで抵抗を続けるつもりよ」 ウィリアムはディオンと仲がいい。 王妃に甘やかされているウィリアムはやりたい放題だった。
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