三章

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ミリアクト伯爵家の辛い日々に耐えられたのは間違いなくアレクシアとエルザがいてくれたおかげだ。 二人がいなければ、もっと前にコレットは潰れていたかもしれない。 名残り惜しいのもあるが、二人を送るためにコレットは立ち上がる。 相変わらず屋敷の周囲は警備で固められていた。 それにはアレクシアとエルザも不思議そうにしていた。 寝る間際までメイメイはコレットにつきっきりだし、コレットもこの警備の手厚さや屋敷から出ていけないことに疑問を持つもヴァンには問えないままだ。 コレットはアレクシアとエルザと手紙のやりとりをしていいとヴァンに許可をもらう。 「コレット様、また会いましょうね」 「今日はありがとう。手紙を送るわ」 「えぇ、また」 コレットは門まで出て、二人が乗っている馬車がいなくなるまで見送っていた。 次に二人に会えるのは建国記念パーティーになる。 そのパーティーでは元婚約者のディオンやリリアーヌ、両親と顔を合わすことにもなるはずだ。 (もうあの人たちはわたくしに関係ない。何を言われたとしても動じないわ……それにヴァンがいてくれるもの) ミリアクト伯爵家にいる時、コレットはすべてのことを諦めていた。
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