三章

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いつの間にか背後に控えていたメイメイは丁寧に腰を折ると早足で屋敷に向かう。 いつも思うが、ウロやメイメイを含めてこの屋敷で働く人たちは足音がほとんどないどころか気配すらない。 メイメイとウロがディオンとリリアーヌに攻撃を仕掛けた時もそうだが一瞬で移動していた。 部屋にいる時もメイメイが近づいてきたことに気づかずに驚いたことが何度もある。 コレットがメイメイと共に屋敷の裏に散歩に行った時に出てきたコレットよりも一回りも二回りも大きな男性たちをメイメイは一人で倒してしまったことは記憶に新しい。 どこからか出てきたナイフはすべて男性たちに深く突き刺さっていた。 その後、人を呼んで他の侍女もやってきたが軽々と男性たちを抱えて運んでいた。 メイメイはコレットよりは背も低く、細身で力があるようには見えない。 片目に眼帯をしているというハンデを感じさせない動き。 そんなメイメイのどこにそんな力があるのか不思議だった。 ヴァンにメイメイやウロが何者なのかをそれとなく問いかけてみると「メイメイは護衛兼侍女ですよ。ウロも同じです」という答えが返ってきた。 この屋敷で働いている者は皆、そうなのだというから驚きである。
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