三章

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「すごいのね」 「比べてみるとエヴァリルート王国の貴族や王族は隙だらけですね」 「……え?」 「情報が手に入りやすくていいんですけど、改めて脇の甘さには驚かされます」 ヴァンは何かを調べているのだと思ったが、コレットはシェイメイ帝国の貴族たちはどんな感じなのかと問いかけると、自衛ができなければ生き残れないという。 上層部になれば暗殺なども増えるので尚更だと語った。 ヴァンは話を切り替えるように「うがいをしますか?今日はゆっくりとお湯に浸かって休んだ方がいいですね。夕食には喉への刺激が少ないものに変えてもらいましょう」と、コレットを気遣いすぎて大変なことになっているヴァンを宥めようと口を開く。 「もう……ヴァンは心配しすぎよ!」 「もしコレットに何かったら僕は……っ」 「わたくしは大丈夫よ。ヴァン、落ち着いて」 「僕は常にコレットのことしか頭がいっぱいです。あなたのことしか考えていませんから」 「~~~っ!?」 ヴァンの言葉にコレットは目を見開いた。 自分でもわかるくらいに頬が赤くなっていくのがわかった。 恥ずかしさからどう言葉を返したらいいのか悩んでいると、ヴァンはコレットの髪を愛おしそうに撫でている。 何故こんなにも愛されているのか、正直なところよくわからない。
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