四章

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その度に思うのだ。 いつまで経ってもコレットに追いつけないことが腹立たしい。 (わたしにはハンデがあるのに……!どうして誰もそのことを理解してくれないのよっ) リリアーヌは自分が認められないことが嫌で現実から目を背けていた。 両親はコレットがいてこそ成り立っていた現状に気づいたのだろう。 リリアーヌを可愛がるどころか心配すらしてくれなくなった。 そんなある日、夜な夜な話し合っている声が聞こえた。 それはミリアクト伯爵家の未来を憂う声だった。 『リリアーヌがあんな状態でどうすればいいんだ……!ミリアクト伯爵家はどうなる!?』 『コレットがいた時はあんなことはなかったのに……領民からは不満ばかりで対応しきれないわ』 『リリアーヌには期待できない。公の場に出さなければならないのに出せば出すほどミリアクト伯爵家の評判は落ちていくじゃないかっ』 『どうしてコレットを追い出してしまったのかしら。あのまま閉じ込めておけばよかったのよ……!』 まるで夢から醒めるようだと思った。 『ディオンもリリアーヌが婚約者になった途端におかしくなった』 リリアーヌが部屋にいる間に、ディオンは外で遊びまくっていると聞いた。
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