四章

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(わたしはこんな苦しい思いをしているのに金持ちと王都で楽しく買い物しているなんて、ふざけんじゃないわよっ!) リリアーヌはコレットをどうすれば苦しめられるか、そのことで頭がいっぱいだった。 コレットが出て行った後に新しく入った侍女が静かに紅茶を置いていく。 とても優秀なので父と母が褒めており、リリアーヌも従順で使えるからと気に入っていた。 彼女の母親がシェイメイ帝国の人間だと言っていたので、あの時にそばにいれば何を言っていたかわかったかもしれない。 「どこの娼館かはわかりませんが、リリアーヌの言っていることは本当です。コレットは相当強い味方を籠絡したようですよ」 「な、何ですって……」 ディオンがそう言うと辺りが沈黙に包まれた。 コレットがエヴァリルート王国の人間ではない人物を味方につけている。 そのことから思いつくのは、ただ一つではないのか。 「ま、まさか我々に復讐するつもりなのではないか!?」 その言葉に緊張が走る。 「そうよ……だってわざわざ王都で買い物するなんておかしいもの!わたしたちに復讐しようとしているに決まっているわ」 「娼館を、探してみた方がいいんじゃないの?もし、本当だったら……」
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