四章

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リリアーヌが苛立ちを抑えようと部屋を右往左往していると、慌ただしい足音が耳に届く。 ディオンがある紙を持って飛び込んでくる。 「ちょっと、ノックもなしに勝手に部屋に入んないでよ!」 「これっ、これを早くこれを見ろッ!」 ディオンはリリアーヌに紙を乱暴に渡す。 広げてみると一週間前にリリアーヌとディオンがコレットを見つけて暴言を吐いていた出来事と、王都で犯した失態を面白おかしく書いてある記事が載っていた。 「なによ、これ……!」 そこにはリリアーヌがパーティーでやらかした失態の数々と病がずっと仮病だったことも書かれている。 ミリアクト伯爵や夫人がろくに仕事もできずに領地の経営が悪化して落ちぶれている様子や嘆き苦しむ領民の声。 ディオンの悪どい手口で詐欺まがいなことをしたり、商人からフェリベール公爵家の名前を使い金を巻き上げていること。 婚約者がいるにもかかわらず遊び歩いている様子が事細かに書かれていた。 つまりは二人とも家名を汚すようなことをしていると暴露されている。 「こ、こんなことが父上にバレたら絶対に追い出される……!ミリアクト伯爵家にもバレたら俺はどうなる?誰だよ、俺を裏切ったやつはっ!」
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