四章

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気が動転しているのかディオンは訳がわからないことを口走っている。 ということは、ここに書いてあることは真実なのだろう。 ディオンのやっていることは悪質で犯罪まがいのことをしているので貴族社会から追い出されてもおかしくない。 これはディオンと婚約を破棄するチャンスになるはずだ。 「これをお父様たちに見せたら、あなたの評判はガタ落ち……わたしとの婚約は解消されるでしょうね!」 「なっ……!」 「今までわたしを馬鹿にしていた罰が当たったのよ!」 「お前だってこの記事を見られたら家族から見放されるに決まっているっ!社交界での笑い者じゃないか!」 「ミリアクト伯爵家にはわたししかいないの。残念だったわね!今までのバチが当たったのよ」 リリアーヌの部屋ではディオンと言い争う声が響いていた。 どうやらディオンはこの記事が読まれたらリリアーヌが両親から見捨てられると思い、リリアーヌと協力してこの記事が出回るのを防ごうとしたようだ。 (わたしがお父様とお母様に見捨てられるわけないじゃない!) ディオンが追放されるのならリリアーヌは少しくらい社交界の笑い者になったっていい。 その後に『可哀想』だと、みんなリリアーヌを可愛がってくれるに違いない。 「フフッ、いい気味だわ!」 リリアーヌがそう言って笑った時だった。
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