四章

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* * * ヴァンと想いが通じ合ってから、コレットは今までにない幸せを感じていた。 唯一、気になっていたアレクシアとエルザとも会えて話せたことも嬉しく思えた。 しかし王都で買い物していた時に会ったリリアーヌとディオンのことが頭から離れない。 ヴァンに聞いたとしても「何も問題はないですよ?」と言って答えてはくれなかった。 あまりコレットが二人を気にしすぎて名前を出すと、ヴァンやメイメイが「やはり今すぐ消し炭にしましょう」「暗殺してきます」と怖いことを言うので気になってはいるものの黙っている。 あんなことをされたのに自分にもまだ情があるのかと思うと驚きであるが、コレットはもうこのままあの人たちと関わることがなくなればそれでいいと思っていた。 二人はコレットを娼婦だと思っていたので今頃、血眼になってエヴァリルート王国にある娼館を探し回っているだろうか。 リリアーヌとディオンがシェイメイ帝国の人間であるヴァンのことを知らないのだから手がかりはコレットだけ。 リリアーヌとディオンの様子を見るに黙って引き下がるとは思えない。 あと一週間で建国記念パーティーが開かれるのだが、コレットは胸が騒ついて仕方なかった。 (このまま何もないといいけど……) 
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