四章

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ミリアクト伯爵家はまだしも、エヴァリルート王国でフェリベール公爵家は大きな力を持っている。 もしヴァンがコレットのために、フェリベール公爵と対立することになったらと思うと気が気ではない。 コレットもフェリベール公爵に何度か会ったことがあるが、威圧的な雰囲気と値踏みするような鋭い視線を今でもよく覚えている。 (リリアーヌはもうフェリベール公爵には直接会ったのかしら……) フェリベール公爵のことだ。 リリアーヌに直接会えば、彼女の本性をすぐに見透かすのではないだろうか。 リリアーヌを溺愛している両親とは違い、使えるか否かを冷酷に見極めているような気がした。 もうミリアクト伯爵家とフェリベール公爵家とは関係ない……そういい聞かせていた。 リリアーヌとディオンと会ってから元々厳重だった警備がさらに強化されていることも気になっていた。 ヴァンがコレットに心配させないようにしているのではないか……そんなことを考えながらコレットは今日も屋敷の中で窓を見ながら紅茶を飲んでいた。
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