四章

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そう言われたコレットはリリアーヌやディオンのことが頭に思い浮かぶ。 「公の場で追い詰められた人間は何をしてくるかわかりません。僕から離れないでください。もし僕から離れる場合はメイメイと一緒にいてくださいね」 「……そうね、ヴァンの言う通りだわ」 「それから以前も言った通り、愚かなことをした場合はもう容赦しませんから覚悟はしておいてください……二度はない」 「…………。わかったわ」 「そうならないことを祈りましょう」 「えぇ、そうね」 コレットは覚悟を決めるように息を吐き出した。 御者が会場に着いたことを知らせてくれた。 コレットはヴァンと共に馬車を降りる。 元伯爵令嬢であるコレットが除籍されたことはエヴァリルート王国の社交界に大きく広がったことだろう。 だが、こうしてシェイメイ帝国の代表としてパーティーに出席する。 リリアーヌたちはヴァンのパートナーとして出席する姿を見てどう思うのか。 ヴァンの言う通りコレットに気づいたリリアーヌや両親が、どんな風にしてくるか簡単に想像できる。 もし接触してきたらコレットは毅然とした対応をしようと思っていた。
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