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コレットが必死に訴えかけると、ヴァンはキョトンとした後に嬉しそうに微笑んでいる。
「ありがとうございます。コレットが僕の心配をしてくれるなんて僕は幸せですよ」
「もう……ヴァンは冗談ばかり言って」
「冗談ではありませんよ。コレットがいなければ、あの人たちをこの場で斬り殺しているでしょうから」
「…………!」
「そうしていたら、さすがに問題になりかねませんからね」
ヴァンはそう言って唇を歪めた。
コレットがいなければ、復讐を果たすために本気でそうしようとしていたのかもしれない。
コレットはヴァンの冷たい手を握る。
ヴァンの気持ちが落ち着くように、幸せな未来を掴めるように動くことがコレットの恩返しだと思った。
「でも、もうヴァンはそんなことをしないでしょう?」
「……え?」
「だってわたくしを幸せにすると、守ってくれると約束したんだもの」
そう言ってコレットはヴァンの手を指に絡めるようにして力強く握った。
ヴァンは目を見開いた後にコレットを優しく抱きしめている。
恥ずかしかったけれど、そうでなければ彼がコレットを置いて離れて行ってしまいそうで怖かった。
メイメイやウロから「コレット様が一緒にいるようになってから、ヴァン様は別人のようです」と教えてくれた。
シェイメイ帝国ではほとんど感情が動くことなく、冷酷なことから皆に恐れられていたと聞いて驚いていた。
メイメイやウロも気軽に話しかけられないほどだったそうだ。
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