四章

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(やっぱり……こうなってしまったわ。でももうわたくしはこの人たちの家族じゃない) 今までは萎縮して黙ってばかりいたコレットだったが動揺することなく、ミリアクト伯爵家を無視するような形でヴァンに視線を戻した。 「ど、どういうつもりだ!我々を無視するとはっ」 「説明なさいっ!何故この場にあなたがいるのよ!おかしいでしょう!?」 「何よ……!なんなのよ、そのドレスはッ!信じられないっ」 どうやらコレットが無視したことが気に入らないミリアクト伯爵と何故、建国記念パーティーの場にいるのか気になっているミリアクト伯爵夫人。 リリアーヌはコレットの一目でわかる高級なドレスやアクセサリーの数々を見て嫉妬心がむき出しになっている。 明らかに伯爵家にいる時よりも艶やかな肌と髪。 自分より美しいドレスを着ているコレットが気に入らないらしい。 だが、ミリアクト伯爵家はコレットには関係ない。 コレットの家族はヴァンだけで今は他人なのだ。 そんな態度が気に入らなかったのか、ミリアクト伯爵と夫人が顔を思いきり歪めた。 こちらに歩いてきてコレットの肩を掴もうと手を伸ばした時だった。 メイメイとウロがすかさず間に入り父にナイフの先を向ける。 その瞬間、会場はザワザワと騒がしくなり、こちらに視線が集まっているのがわかった。
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