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「まぁ……なんてはしたないの!」
「ミリアクト伯爵家から出て行ってもらってよかったわ!こんな穢らわしいやつにうちは継がせられないものっ」
社交界に流れている噂を払拭しようと必死なのだろうが、今度はコレットだって黙ってはいられない。
周囲にも元ミリアクト伯爵家の令嬢、コレットだというこということがわかったのだろう。
ザワザワと騒ぎ出す周囲の貴族たち。
しかしヴァンの正体がわからずに黙って様子を窺っている。
コレットは三人を睨みつけた。
「わたくしはミリアクト伯爵家から自分から出ていきました。その選択をして心からよかったと思っています」
コレットの言葉に空気が張り詰めたのがわかった。
「それにわたくしは娼婦ではありません。愛する旦那様の前で言い掛かりをつけるのはやめてください」
コレットは娼婦ではないとはっきりと告げたのだが、ヴァンはコレットの言葉に目を輝かしながらこちらを見ている。
「コレット……今、なんと言ったのですか!?」
「……え?」
「今、僕のことを〝愛する旦那様〟って言いましたよね!?」
「え、えぇ……そうだけど」
食い気味に問いかけるヴァンにコレットは困惑しながらも頷いた。
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