四章

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そしてヴァンは腰に携えていた剣を抜いた。 リリアーヌはヴァンに刃物を首元に突きつけられてガチガチと歯を鳴らしながら震えている。 刃先が食い込んでリリアーヌは「ヒッ……!」と引き攣った声を出した。 ミリアクト伯爵も唖然としていたが、コレットはヴァンを止めることはしない。 そっと瞼を伏せた。 「今日、僕はコレットに合わせてこの格好でいますが、シェイメイ皇帝の名代としてここにいるんですよ」 「嘘、よ……!そんなっ、こんなことはありえないわ!」 「残念ながら本当です。僕の大切な妻に向かってあなたたちはなんて言ったんでしょうか」 「ぁ……っ、あのっ、これは」 「この行いがどんな影響をもたらすのか、わからないわけないですよね?」 ミリアクト伯爵と夫人の顔が青ざめていく。 取り返しのつかないことをしてしまったと、さすがに理解したのだろう。 「僕は優しいコレットのために一度は我慢しました。それをすべて無駄にするなんて……終わりですね」 ヴァンの言葉に周囲にいる貴族たちも状況を把握したのか表情は固い。 そしてミリアクト伯爵たちを責め立てる声が四方八方から届く。 「どう責任をとるつもりですか?あなたたちの首が飛ぶだけで済みますかね?」 「……違っ、違うんです!これはっ」
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