四章

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ヴァンは話を聞く気がないのを示すためにフェリベール公爵に手のひらを向けて制止する。 どうやら許すつもりもないらしい。 「な、ならば……愚息の命をもって償わせていただきましょう!」 「──父上っ!?俺を見捨てるのですか!?」 「ああ、そうだ!コイツは好きにして構いませんので気の済むままに処分してください!」 フェリベール公爵は容赦なくディオンを切り捨てた。 そんな中、床にへたり込んでいるディオンは大きく首を横に振りながら悲痛な叫び声を上げている。 それはディオンにとって地獄のような宣告だろう。 しかしヴァンは残酷な言葉を放つ。 「何を言ってるんですか?それは当然の処置でしょう」 「……っ!?」 「それだけで済むとでも?それとそこで黙っている三人も同じですよ」 俯いていたミリアクト伯爵と夫人もヴァンから声が掛かるとガタガタと震えている。 リリアーヌだけは、まだ訳がわからないと言った様子だ。 「ああ!もしかしてこれはシェイメイ帝国への宣戦布告ですか?どう責任をとってもらいましょう」 ヴァンの一言に会場が嘘のようにシンと静まり返っている。
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