一章

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恐ろしく冷たくなった皮膚、生きているか確認するために首に触れると僅かだが温かい。 震える唇で名前を呼んだ。 「コレット……?」 このまま彼女が死んでしまったとしたら……そう思いゾッとした。 今回のパーティーで幸せに微笑むコレットを見届けることができたら、自分の長年の目的を投げ出してもいいと思っていたのに、その考えはあっさりと打ち砕かれる。 (コレットはあの時から苦しみ続けていたのか?そんなこと……まさか。ありえないっ) すぐに彼女の体を抱え上げ、壊れ物を扱うように優しく抱きしめた。 従者が不思議そうに問いかけてくる。 「その方は?」 「僕の命より大切な人だ」 「……!?」 「屋敷に早く向かおう」 「かしこまりました」 体全身の冷たさがこちらに伝わってくる。 コレットが抱えていたのか持っていた荷物が地面に落ちた瞬間に中身が飛び出て散らばった。 ナイフとほんの少しの金が入っているだけのカバンに胸騒ぎを感じていた。 急いでコレットを抱えて馬車へと戻った。 心配する御者に馬車を出してもらい、コレットの体をストールごと抱きしめて温める。 外よりはマシだが体が温まるまで時間はかかるだろう。 どれくらいそうしていただろうか。 馬車が止まり、目的地に着いたことを知らせるように声がかかる。 従者がコレットを代わりに運ぼうと手を伸ばすが、首を横に振った。 コレットを離したくなくて大切に抱えて歩いていく。 このタイミングで彼女に会えたことは奇跡なのかもしれない。 (???side end)
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