二章

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二章

(リリアーヌside) リリアーヌは幼い頃から体が弱かった。 熱も出るし、咳も出るし、夜は眠れないくらい苦しい。 リリアーヌはこんなにも苦しんでいるのに、歳が一つ違うコレットは元気に外を走り回り、友達と遊んだりする。 何故、自分だけこんな思いをしなければならないのか。 何故、自分だけこんな風に苦しまなければならないのか。 不自由なこの状況は苛立ちに繋がった。 憎しみや悔しさだけは積み重なっていく。 幼い頃はコレットがリリアーヌを本気で心配して案じてくれた。 『リリアーヌが早く元気になりますように!』 毎日、コレットがそばにいてくれるだけでリリアーヌはよかったし、庭で花を摘んでリリアーヌの元に届けてくれた時は嬉しくて、ずっと見ていた。 コレットの笑顔が太陽のように輝いていた。 でもコレットの関心が少しでも外に向くのが許せない。 「丈夫に産んであげられなくてごめんね」 「リリアーヌ、大丈夫か?」 両親はリリアーヌを心配していつもこう言った。 リリアーヌは両親にこう言ってしまう。 「コレットお姉様が羨ましい」 そう言って涙すると次の日、両親はコレットに少しだけキツく当たるようになった。 「わたしだけどうして?コレットお姉様のようになりたい」
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