二章

3/48
前へ
/234ページ
次へ
両親や侍女を味方につけて、執事も庭師も侍従も全部全部、リリアーヌの言いなりになっていく。 (ああ……なんて気持ちがいいのかしら!) そうするとリリアーヌはコレットに勝つことができる。 弱いことは武器だと知った。 コレットは反抗することなく、地に落ちていく。 ただ耐えるしかない。 以前、よく笑っていたコレットは無表情で暗くなっていく。 そうすることでリリアーヌは元気になれる。 リリアーヌが八歳くらいの頃だろうか。 体が大きくなるにつれて苦しくなくなり、病が治っているのだと思った。 病が治れば、この方法は使えなくなってしまう。 そう考えた瞬間、リリアーヌは恐怖に襲われた。 リリアーヌはずっと弱くなければならないのだ。 医者や両親の前で嘘をついた。 その間、コレットは講師達に厳しいレッスンを受けていたが、リリアーヌは絶対にしたくない。 そんな中、コレットが紹介したい令息がいると部屋に飛び込んできたことがあった。 (コレットお姉様だけ幸せになるなんて許されるわけないでしょう?) リリアーヌが目に涙を溜めるだけで問題は解決する。 コレットを一蹴して平手打ちをした父を見て拍手を送りたくなった。
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1152人が本棚に入れています
本棚に追加