二章

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それからミリアクト伯爵邸にやって来るディオンに「話を聞かせて」と言って部屋に呼び、リリアーヌに惚れさせていく。 (すぐにわたしなしじゃいられないようになるわ!) リリアーヌが笑みを浮かべて楽しそうに話をすれば皆が喜んでリリアーヌを好きになる。 この美貌と弱さは武器になると知っていた。 (すべてはわたしの思い通りだわ!) ディオンはリリアーヌが思っているより、ずっと素晴らしい男性だった。 なんでも知っているし、両親にも気に入られている。 何より顔がいいし、背も高くてかっこいい。 予想外なのはリリアーヌがディオンを奪おうとしているのに、コレットは悲しむどころか無関心だということだ。 三人で話していても両親に告げ口をしても何も変わらない。 (どうして悲しまないの!?どうして泣かないのよっ!?) リリアーヌはあることに気づく。 (ああ、そう。みんなの前で屈辱を与えてやらないとダメなのね) 次の王家主催のパーティーでディオンにエスコートしてもらい、リリアーヌの素晴らしさを皆に知ってもらうことがコレットを再び追い詰めるのに必要だと気がついたのだ。
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