二章

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「いいからこっちに来て!」 コレットに怒鳴られるようにして腕を引かれ城の外へ。 強い力にリリアーヌは抵抗することができなかった。 リリアーヌはディオンに助けを求めようとしたがどこにもいない。 ここで初めてディオンが自分の隣にいないことに気づく。 そして乗ってきた馬車に詰め込まれてリリアーヌは怒り心頭だった。 そこに現れたのはディオンだった。 (まぁ!きっとディオン様が助けてくれるんだわ……!) しかしリリアーヌの予想は大きく外れることになる。 何か話しながら馬車を指差すコレットと、リリアーヌの馬車を指差して馬鹿にするように笑うディオンの姿。 (ディオン様だって、わたしと一緒にいられなくて、あんなに残念がっているじゃない!早く会場に戻りたいわ) しかしリリアーヌは怖くて一人で馬車を降りることができなかった。 コレットは走り回って疲れたのか荒く息を吐き出しながらなりながらも馬車に乗ると、御者に「ミリアクト伯爵家まで」と言った。 リリアーヌは信じられない気持ちだった。 「なんで!?パーティーはまだ始まったばかりじゃない!どうして邸に帰るのよっ」 「リリアーヌ、あなた自分が何をやったかわからないの?」 「意味わかんない!自分が何をやったかわからないですって!?コレットお姉様の方でしょう!?」 「……もういいわ。話にならない」 「~~~ッ!」
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