二章

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何を言っても『リリアーヌが悪い』と言いたげなコレットにリリアーヌの怒りはピークに達していた。 (ディオン様を取られたからって、わたしにこんな嫌がらせをしてくるなんて絶対に、絶対に許さないんだから……!) リリアーヌは血が滲むほどに唇を噛んだ。 コレットを追い詰めて、リリアーヌに這いつくばって謝ってくるまで許さないとミリアクト伯爵邸に到着してすぐにリリアーヌは両親に泣きついた。 「コレットお姉様がディオン様を取られたからって嫌がらせをしてきたの!わたしっ、みんなの前で恥ずかしい思いをしてっ……このままミリアクト伯爵家が悪く言われると思うと心配だわ」 すると両親は激昂してコレットの話を聞くことなく責め立てた。 コレットはドレスのまま部屋に引き摺られていき、物置部屋に閉じ込められて怒られているようだ。 (アハハ、いい気味だわ……わたしのやることを邪魔したらこうなるって、わかってもらわないとね!) しかしリリアーヌの気分はこんなもんでは晴れはしない。 あることないことを両親に吹き込んでコレットを苦しませ続けた。 
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